DIY

Zoom H1n レコーダー 三脚穴の故障・自分で修理する方法

2022年9月に書きかけて放置していた記事をほぼそのままアップします。
どなたかお困りの方の参考になれば。


愛用していたZOOM・H1nレコーダーが壊れた。レコーダー自体が壊れたのではない。本体背面の三脚穴がモロモロの破片となって砕け落ち、ネジ穴の形を維持しなくなって三脚を固定できなくなってしまったのだ。

レコーダー本体の背中、ちょうど三脚穴を真ん中にして横に一本、土鍋にヒビが入ったかのような細い線があることに気付いたのはおよそ1ヶ月前。その時は「こんな線あったっけ?」と怪訝に思う程度だったが、次に見たときにはその線が太くなっていて、その時点でようやく「これは割れる前兆のヒビじゃないか!」と合点がいくも、セロテープで補強するくらいしか思いつかず、そのまま使い続けていたらとうとう三脚穴自体が中から壊れてしまった。中から、というのはネジを差し込むところそのものの一部がパンくずのようなカケラとなって、文字通りポロポロと砕け落ちてきたのだ。

三脚をしっかりと固定しようとするあまり、力を入れ過ぎたかもしれない、という自覚はあったが、しっかり固定すること、そして何度も取り外しすることが前提であるはずの三脚用の穴が『金属製ではない』ということに気付いたのは、この時が初めてだった。そう、この三脚穴は本体同様、プラスチック製だったのである。

インターネットで調べてみると、この三脚穴が壊れたというユーザー事例はいくつも報告されており、『三脚穴の強度に問題あり』、『プラスチック製で壊れやすいため、気をつけて使用すべし』などと書かれている。

いや、気をつけろと言ったって…ねえ。

ナットという小さな部品を破損した三脚穴に埋め込めば、新たなネジとして使える可能性があるかもしれないと某ブログで読んだので、試してみようと探しに行くも、ホームセンターではサイズが合うものが見つからなかった。レコーダーやカメラ用の三脚のネジに適したナットは取り扱っていないらしい。

直せる気がしなくなってきたのと、だんだん面倒くさくなってきたこともあり、もうこの際新しいレコーダーにアップグレードしても良いかなと考えて、ベルリンの某巨大楽器店で同じZOOM社製の他モデルを物色することにした。お店の人いわく、同社のレコーダーは、(一番安いモデルである)H1n以外はすべて金属製の三脚穴が付いているとのこと。
思案したが今一つ決めきれなかったので、やはり一度自分で修理を試してみようと、別売りのマイクスタンド用アダプターがあるかと尋ねたところ、勧められたのがこれだ。4,9 ユーロ也。

Zoom H1n
Hn1とマイクスタンド用アダプター
Zoom H1n
熱で溶かすタイプの接着剤

熱で溶けるタイプの接着剤を、このピストルのような器具を使って三脚穴に流し込み、マイクスタンド用アダプターのネジ部分を差し込んで、接着剤が乾くまでしばらくそのままにする。その後、アダプターを抜くと、モロモロに崩れていた三脚穴に、接着剤によって新たなネジ筋(という名前で合ってる?)が作られ、アダプターが取り外し自由になった。

Zoom H1n
接着剤で穴を補強後、アダプターをつけたところ

(2024年8月追記)
この接着剤でしっかり補強された三脚穴は、さすがに安定感があり、しばらくアダプター+三脚で使い続けた。昨年レコーダーを新調したため(結局TASCAMにした)、最近は出番がないが、このZOOM Hn1の軽さと性能は今でも魅力的である。

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