キク科の花・カモミールには抗ストレス、抗不安、安眠といった効果があると知って以来、カモミールティーがコンサートの本番前に飲むお茶の定番になった。温かい飲みものを口にすることで得る感覚は、出番を控えて緊張マックスの身体と精神を幾分かほぐしてくれるし、このハーブ独特の香りがなんとも言えず良い。


夏場は (特にここ数年は真夏の日本でツアーを行っているため)水だけで済ますことも多いが、秋冬は魔法瓶に淹れた温かいカモミールティーをコンサート会場に必ず持参する。ピアニストのちょっとした精神安定剤である。


そんなカモミールティー。これまでティーバッグで購入していたのだが、サイクリングに出かけた先の原っぱで大量に生えた野生のカモミールを収穫することができたので、手作りにトライしてみることにした。

Kamille カモミール
野生のカモミール
Kamille カモミール
大量に収穫

手作り、と言ってもなんのことはない。花を洗って乾かすだけである。ただしアブラムシがついていないかだけは注意すべし。洗ったあと束にして窓辺に吊るしてみると、どこか違う国の台所に来たみたい。

Kamilleカモミール
ドライフラワーの要領で干す
乾いた

このカモミール、どうやら乾かす前にお茶に使える花の部分だけ切って、ザルなどに入れて置いておけばよかったようだ。茎を残した状態で逆さに吊るしていたことで、黄色い花粉が落ちてきて掃除する羽目になってしまった。そして乾燥した花の部分だけ切るのがけっこう手間がかかる。最初はいそいそと一本ずつハサミで丁寧に切り取っていたのだが、15分も経つとしびれをきらし束のまま茎と一緒にザク切りにすることに。


というわけで約30分の手作業の末、出来上がったカモミールティーの茶葉。

Kamille
手作りカモミールティーの茶葉

ガラスのカップに注ぐと、色が映えてとても綺麗。お味のほうもなかなか。なんでも手作りすると美味しいね。

Kamillentee カモミールティ
いただきもののアンティーク食器とともに

乾燥した花の状態のカモミールティーは、BIOショップなどで手に入る。ティーバッグは普通のスーパーでもお手頃価格(1ユーロ〜)で売られているので、ドイツ土産にも良いかもしれない。


文と写真:萬谷衣里 Eri Mantani プロフィール