ティラミスもどき・生クリームとポートワインで作る大人のデザートの作り方
材料6つで作れる簡単な『ティラミスもどき』のレシピをお伝えしたい。レシピと呼ぶまでもないほど簡単だ。ポートワインというお酒が手元にあると良い。無ければラム酒でも美味しいはずだ。レーズンをポートワインに浸し数時間置く。生クリームを砂糖と一緒に泡だてたら、バタービスケットを一つずつ牛乳に浸してバットに並べる。その上に生クリームを重ね、さらにレーズンを散らす。これを3〜4度繰り返し層を作り、最後に生クリームで覆えば完成だ(その後数時間寝かすこと)。分量は以下を参考にしていただきたいが、基本は適当で大丈夫。ラズベリーなど、少し酸味のある果実を飾ると見た目や味にも華やかさが出て良いかもしれない。ふわふわになったビスケットとポートワイン漬けの濃厚レーズン、さらに生クリームのハーモニーが混じり合う大人のデザート。ぜひお試しあれ。
材料:
生クリーム 200ml
砂糖 20〜30g
バタービスケット 200g
牛乳 適量
レーズン 100g〜 お好みで
ポートワイン 適量(レーズンがひたひたになるくらい)
マスク義務化の効果はいかに・ベルリンでは違反者に罰金が科されることが決定
公共交通機関の利用や屋内での買い物の際にマスク着用が義務付けられるようになってからしばらく経つ。ベルリン市内でもいたるところでマスクが売られ、品薄だった頃が嘘のよう。デパートなどではお洒落な生地を使ったマスクが並び、ファッション小物的な位置付けだろうか、けっこうなお値段がしている。
薬局で買えるマスクは一枚1,5ユーロだ。再利用できるのか尋ねると、「110℃のオーブンで15分間焼いてください」とのこと。布マスクでなくてもリサイクルできるということらしい。
公共の場ではほとんどの人がマスクやそれに代わるもので口と鼻を覆い、ソーシャルディスタンスを出来るだけ保って行動しているが、中には全くお構いなしの様子で電車に乗る人もいたりする。そんな不届き者には今週の土曜日(6月27日)から50〜500ユーロの罰金が課されることが決まった。コントロールは警察によって行われるとのこと(Berliner Zeitung紙参照)。鞄の中にはいつも予備のマスクを忍ばせておかないといけないな。
つい数ヶ月前まではマスクなんて、と鼻で笑う人ばかりだったドイツで全てがひっくり返っている。土曜日からは接触制限も解かれ、人数に関係なく自由に人と会うことが可能になるが、緩まっていく諸々の制限に対し、厳格化が進むマスク着用義務と罰則の効果は期待できるだろうか。
コロナ禍での『フェット・ドゥ・ラ・ムジーク(音楽の祭日)』が過ぎて思うこと
6月21日は父の日だったが、『フェット・ドゥ・ラ・ムジーク Fête de la Musique』の日でもあった。1982年にフランスで誕生したフェット・ドゥ・ラ・ムジークは、夏至である6月21日に開催される。この日はみんな自由に音楽を演奏したり聴いたりして盛り上がろう!と同時多発的に世界各国、場所や形態を問わずライブコンサートが催される日だ。日本でも『音楽の祭日』として行われているが、今年はどこもオンラインでの開催にシフトしたようで、ベルリンでも同様だった。
天気の良い日曜日だったこの日、オンラインでの音楽祭とは一体どんなものだろうかと思い、ベルリンのフェット・ドゥ・ラ・ムジークのサイトにアクセスしてみた。ちょうどいくつかのコンサートがライブ配信されており、無観客の会場(屋外はもとより、図書館や自宅のリビング、果てはバスルームまで!)で演奏するアーティストたちの姿が映し出された。音質も悪くなく、束の間の気分転換に聴かせてもらうにはぴったりだった。
ただやはり、音楽祭という『お祭り』がこういう形で行われるのは残念に思う。私自身、同じくオンライン開催が決まったベルリンの某アートフェスティバルへの参加を、今年は見送ることにした。毎年楽しみにしていたイベントだったが、共同企画者である友人と相談したところ二人とも同じ考えで、この選択は私たちにとって正解だったと思う。
飛行機が再び飛び始め、狭い機内にマスクをした乗客がすし詰めになって座る一方で、コンサート会場は未だ休業を強いられている。動画配信をするオーケストラやアーティストたちも存在するが、インターネットを介さず本来の姿での公演へ向けてひたすら練習に精を出す音楽家も多いはずだ。無数の動画が溢れるオンラインの世界に参入することに躊躇する人もいるだろう。情報と技術には事欠かない現在、『表現』の方法もそれぞれに合ったものを選ばなければ自滅してしまう危険があるように思う。そんなことを音楽の祭日に考えた。
肉食について考える・ドイツの食肉工場で発生した新型コロナウィルスの集団感染は何を意味するのか?
ベルリンのとある輸入食品店で「WAGYU」と大きく書かれたパッケージに入ったステーキ肉が陳列されているのを発見、思わず駆け寄りここは和牛も扱うのか!とよくよく見たらスペイン産だった。ブランド名か何か知らないが、消費者を欺くような紛らわしい商品表示をしてはいけないと思う。
それはさておきドイツではいま、ノルトライン=ヴェストファーレン州(NWR)にある大手食肉工場で大規模な新型コロナウィルスのクラスター(集団感染)が起き問題になっている。ここでは約7千人が働くが、そのうち1029人の感染が既に確認され、工場は営業を停止した。また同工場周辺の地域ではロックダウンを余儀なくされ、学校や幼稚園も休校している(2020年6月20日現在)。
ヨーロッパ最大規模の同食肉工場では、一日に2万5千頭の豚が処理されており、その数は一年でおよそ900万頭にのぼるという。ちょっと目眩がしそうになる数字だ。
クラスターが食肉工場という閉ざされた場で起きたことで、工場で働くひとたち(その大部分が出稼ぎに来ている東欧出身者だ)の劣悪な労働条件や住環境も問題視され始めている。食肉工場を取材した某番組で、最低賃金スレスレの時給で陽が昇らないうちから10時間以上働き、狭い寮の一室を同僚たちとシェアしながら暮らす従業員たちの様子がカメラにおさめられたものを見たが、それは確かに衛生的と言えるものではなかった。しかし、そんな労働環境でも彼らが働かなければならない理由、彼らを働かせなければならない理由はなんだろう?
番組では『1kgの肉が5ユーロ以下で買えるという現状は、理にかなっているのか?』という議論も行われていた。確かに今日どこのスーパーでも肉は安く売られているが(BIOショップなど一部を除く)、それが『生き物』の値段だと思うとはたと立ち止まって考えてしまう。
誰かのお気に入りはあなたの特別になるかもしれない〜ドイツの音楽ラジオ番組 『クラシック-ポップ-エトセトラ』
ドイチュランドフンク(Deutschlandfunk)で毎週土曜日の朝に放送される『クラシック-ポップ-エトセトラ Klassik-Pop-et cetera 』というラジオ番組を紹介したい。これは週替わりで著名人たちがナビゲーターをつとめ、自身のお気に入りの音楽をセレクトし、それぞれの楽曲にまつわるエピソードを交えながら紹介していく番組だ。一つの音楽ジャンルに限定せず、毎回クラシックからポップ、ロック、ジャズなど、あらゆるジャンルを網羅しながらお話とともに進むのでとても面白い。
番組内で流れる楽曲は常に変化に富んでいて、クラシック音楽が苦手な人が聴いていても飽きないだろう。また、普段聴かないジャンルの音楽はどこから手をつけたらいいか分からない、という人にはナビゲーターが水先案内人をつとめてくれるに違いない。ナビゲーターが趣味の良いセレクトをしていたり、好みが被っていた場合、その人自身に興味が湧いてくる。彼らのお気に入りの音楽が、あなたの”特別”になるかもしれない。ドイツで活躍する著名人、文化人たちを知る機会にもなるし、ドイツ語のリスニング訓練にもなるので私はほぼ毎週欠かさず聴いている。
同番組はインターネット上でも聴けるので、日本にいる人もアクセスできるはず(上記リンク先のページ上部にLIVEと書かれた再生ボタンがある)。ドイツ時間で土曜日朝10時5分開始なので、サマータイムの現在、日本時間では土曜日の17時5分開始だ。聴き逃した人は番組アーカイブをチェック。では良い週末を。
アメリカ個人旅行の罠・ESTA(エスタ)を申請し忘れ、搭乗手続き締切1分前に認証取得した話
2018年秋のことだ。その日私はベルリン・テーゲル空港のチェックインカウンター前に立ち、少し早めに空港に到着できたことに満足しながら定刻通りに出発予定のシカゴ行き飛行機への搭乗手続きを行おうとしていた。普段よく利用する航空会社だったので、勝手を知った顔をして搭乗券を発行してもらおうとしていた私に、係員の男性が尋ねた。
「ハーヴェンジー ESTA?(エスタはお持ちですか?)」
「・・・ヴァスイスダス?(それなんですか?)」
聞いたことがない単語にキョトンとする私に係員の言葉が追い打ちをかける。
「あなた、ESTAを持っていないなら飛べませんよ」
なんでもアメリカをビザなし観光する際にはESTAという電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization: エスタ)の申請が義務化されており、それが認証されていないことには搭乗手続きは行えないという。寝耳に水とはまさにこのことで、みるみるうちに血の気が引いていくのがわかった。「とりあえずここに行って訊いてみてください」と親切な係員がメモをくれたので、空港内の別のカウンターへ全速力で駆け息急き切って尋ねるも、そのような手続きサービスは行っていないとのこと。
仕方なくまた全速力で戻りもう一度同じ係員に助けを求めると、エスタはインターネット上で申請できるとのこと。搭乗手続き時間中に認証されるかどうかは分かりかねるがトライしてみては、と言われる。通常は出発の72時間前までには申請を済ましておかなければならないそうだ。
この時点で動悸がかなり激しくなっているが、とにかく情報を、とスマホでエスタのサイトを開き、日本語のページを速読。これならできるかもしれない!と手続きを始めようとした。が、入力項目が多い上、パスポートの証明写真部分のデータアップロードも必要なためスマホ一台では遅々として進みそうにない。「とにかくやってみるから、ちょっとこのスペース使わせてください」とお願いし、キャリーケースからラップトップを取り出し、チェックインカウンターの一角で立ったまま作業を始めた。必死の形相でキーをタッチし続ける私の横を、搭乗券を手にした旅行客たちが談笑しながら次々と通り過ぎる。それを横目に見ながら『この列に加らねば!』と、全神経を指先に集中させ、『必ず間に合う』と心の中で呪文を唱えながらひたすら申請の手続きをすすめる。
スマホで撮ったパスポートの画像データをラップトップに転送し、ファイルをアップロード。申請費用14ドルを支払うためのクレジットカード番号を入力しようとしたところで、係のお姉さんが近寄ってきて
「ヴィア シュリーセン イン フュンフ ミヌーテン(あと5分でチェックインは締め切ります)」
と言うではないか。万事休す。いや、もうすぐ手続きが完了するのであとは認証メールがくるのを待つだけだ。手続き完了。しかし認証までに最大48時間かかると書いてある。ここまで辿り着けたのに、認証まで2日かかるのか?!もはや望みは絶たれた。。待つこと約2分。
諦めかけた瞬間、スマホがブルルと震え、新着メールを知らせた。ESTAからの『渡航許可通知』だった。
「イッヒ ハーベ アイネ ベステーティグング べコメン!!!ベステーティグング べコメン!!!!!!(通知が来た、の意)」
二度叫んだと思う。カウンターを閉めようとしていた係員たちが振り向いて『おお』という表情をしている。興奮しながら通知メールを見せると即対応してくれ、チェックイン締切1分前にして私は無事シカゴ行きの搭乗券を手にすることができたのだった。
こんな時限爆弾処理班の様な仕事をしたことがかつてあっただろうか。危機一髪、寿命も相当縮んだと思う。思い出してもあぶら汗が出る。どうにかこうにか20年ぶりにアメリカの地に足を踏み入れることができたが、空港まで迎えに来てくれたマルコ(日本人・仮名)に開口一番問いただしたのは言うまでもない。「なんで教えてくれへんかったん?」「あーエスタか。ごめん、忘れてたわ」。
旅慣れているから大丈夫だろう、と両者とも過信していたせいで、渡航に関してなんの情報収集・交換もしないままだったのは反省すべきところだ。せっかくのシカゴ滞在が水の泡になるところだった。個人旅行の怖すぎる罠。
リンダ・マッカートニーが撮るポールとその家族『ザ・ポラロイド・ダイアリー』展
美術館も長い休館が明けたので、C/O Berlinで開催中のリンダ・マッカートニーによる写真展『ザ・ポラロイド・ダイアリー』へ足を運んだ。リンダは主にミュージシャンを撮影した写真家として知られるが、初耳な人も名前からピンとくるように、ポール・マッカートニー(ビートルズ)の奥さんである。
この写真展は、主にリンダ・マッカートニー(1941-1998)がポールと3人の子どもたちと過ごした1970年代に撮った、250枚を超えるポラロイド写真から成る。その多くはいわゆる家族写真だが、写っている人物がなにしろポール・マッカートニーなので、どれもこれもアーティスティックでかっこいい。中には大きく引き伸ばされた写真も展示されているが、ほとんどはオリジナルサイズのポラロイド写真がそのまま額に入れられているためとても小さい。その一つずつを、著名人のプライベートをちょっと覗き見するような感覚でゆっくり見てまわる(館内は撮影禁止だったため、C/O Berlinが発行している新聞の紙面から↓)。

日常の微笑ましいひとコマから休暇中であろう草原の風景まで、愛に溢れた瞬間の切り取り方が印象的。ビートルズは好きだが熱狂的なポールのファンというわけではないので、適度な距離感を保ちながら鑑賞したが、これが超のつくファンだったりするとジェラシーがめらめらと湧くのではないかと思う。彼らが結婚した当時はリンダに対するポールの女性ファンからの攻撃がひどかったらしいので、こんな写真展はまさかできなかっただろう。また、ローリング・ストーンズやジミ・ヘンドリックス、サイモン&ガーファンクルなどを撮影していた写真家なので、そういうミュージシャンたちの写真を観られると思って行くと、その数の少なさにがっかりするかもしれない。でも『ダイアリー』というタイトルに沿った内容なのは確か。

会場ではフランチェスカ・ウッドマンという夭折した写真家と、ソフィー・トゥンという現在活躍する若手写真家の作品展も同時開催中。三人の女性フォトグラファーのそれぞれの世界観を堪能した一日だった。会期は2020年9月5日まで。


