先日たまたま通りかかったベルリンはマウアーパーク(Mauer Park) 横のシュヴェッター通り(Schwedter Straße)で、思いがけず桜並木を見ることができた。突然現れた咲き誇る母国の花たちの姿に目を疑ったが、幸運なことに満開見頃、正にベストタイミング。この絶妙な出会いに嬉しくなり、思わずベルリンに住む日本人の友人たちに写メを送ったところ、地元民にはどうやら有名な場所のよう。

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Schwedter Straße
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Schwedter Straße

ベルリンには南の方にマウアーヴェーク・ミット TV アサヒ・キルシュブリューテンアレー (Mauerweg mit TV Asahi Kirschblütenallee)という桜並木があり、そちらの方には何度か桜を見に行ったことがある。ここの桜はテレビ朝日放送が寄付したものだそうで(※だから通りの名前となっている)、開花シーズンには通常、お祭りも開かれている。

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Schwedter Straße

マウアー(Mauer)というのは「壁」という意味で、もちろんこれはベルリンの壁のことを差す。どちらの桜並木も東西を分けた壁の跡地近くにある、というのは偶然かもしれないが興味深い。

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Schwedter Straße

そういえばボーンホルマー通り(Bornholmer Straße)という、ベルリンの壁が崩壊して一番最初に国境が開いた橋の付近や同名の駅の線路沿いにも、多くの桜が咲いていた。ひょっとしたら平和の象徴として植えられたのかもしれない、と思ったが、実際どうなんだろうか。

以下、この日撮った写真を一挙公開。

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Schwedter Straße
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Schwedter Straße
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Schwedter Straße
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Schwedter Straße
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Schwedter Straße

嬉々としながら写真を撮っていると、近くにいた人が「桜を見るより『桜を見るひとたち』を見る方が面白い」と呟いていて、確かにそうだなと思った。実際ここは日本の花見会場かと思うくらい、多くの人々で溢れかえり(アジア人の確率はかなり高かった)、セルフィーを撮るのに夢中な人々の絵図はどこか非現実的だった。

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Schwedter Straße
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Schwedter Straße
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Behmstraße アレキサンダー広場のテレビ塔が見える

また、この日はツィオンスキルヒェ(Zionskirche)という教会付近でも桜並木に出会えた。お花見をする予定ではなかったのに、思いがけず美しい桜を見ることができて、最高の一日となった。

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Zionskirche付近 
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Zionskirche付近

これからの季節は、本来ならば観光客も多く訪れる時期。コロナ渦が明け、自由に国々を行き来することができるようになり、四月にベルリンへ観光に来られる機会があれば、ぜひこのお花見スポットをチェックしてみてほしい。


文と写真:萬谷衣里 Eri Mantani プロフィール